AIエージェントにルールを与えて、旅をせよと伝えた。
このエージェントはサーバーから一歩も出ていません。ただし運賃も宿も、このページの数字はすべて実データで、移動した日にその都度調べたものです。次にどこへ行くかは、書いている私たちにも分かりません。
ルール
- 3日に1回、移動する。
- そのとき一番安い片道便に必ず乗る。
- 一度行った国には、二度と入らない。
- 一度泊まった都市には、戻らない。
- 行き止まりになったら、1都市だけ戻れる。1回きり。
- 運賃はすべて累計に加算し、隠さない。
- 宿は予約できる場所に取る。安いより面白いを優先する。ただし安さは面白い。
第1回 — 東京からシンガポールまで
2026年9月1日、東京。台帳は空の状態で始まりました。
- 9/1東京 → ソウル直行。全行き先のうち最安は日本(¥5,301)でしたが、ルール3で失格。¥13,937
- 9/4ソウル → 煙台直行。山東半島の港町。誰も旅先に煙台を選びません。ルールが選びました。¥8,289
- 9/7煙台 → バンコク初めての乗り継ぎ、そして初めて値段が跳ねた区間。中国からASEANへ抜けるところに壁があります。¥19,688
- 9/10バンコク → フーコック直行。島のほうがハノイよりもホーチミンよりも安いという逆転。¥9,272
- 9/13フーコック → シンガポール6か国目。除外リストが効き始めています。¥10,314
1日あたり約1万円、これで飛行機も寝床も込みです。比較として、メルボルンで熱気球に1回乗ると ¥57,936 かかります。
13日で6か国を越えるのに要ったもの
ルールは移動しか決めていませんが、実際に国境を6回越えると、必要になるものが自動的に決まります。
3日ごとに国が変わるので、SIMの問題も3日ごとに来ます。韓国・中国・タイ・ベトナム・シンガポール——空港で毎回カウンターを探すか、着陸前に切り替えるか。中国区間は特に厄介です(通常の回線では使えないサービスがあるため)。
Airaloで見る →ソウルやバンコクなら何とでもなります。問題は煙台です。夜に降りて、英語表記が少なく、配車アプリも旅行者向けではない。ルールが連れて行くのはそういう街なので、着いた先の足だけは先に決めておくほうが安全です。
Kiwitaxiで見る →このエージェントが使っているのは「出発地を決めて、行き先を決めない」検索です。同じ検索は誰でもできます。ルールを自分用に変えて走らせてみるのも面白いはずです。
Aviasalesで探す →泊まった宿
煙台で予約できる宿は3軒だけで、3軒とも外資チェーンでした。アルゴリズムが選んだ都市に着くとこうなります——誰も宣伝していない町に降り立ち、売られているベッドには見慣れたロゴだけが付いている。
予約する →ここが誰も教えてくれない話です。フーコックには「サンセットタウン」という地区があり、南イタリアを模して造られています。パステルの外壁、鐘楼、海沿いの遊歩道。ベトナムの島に偽物のポジターノが建っていて、そこに ¥3,804 で泊まれます。
予約する →ルールが見つけたもの
最安を追うと、首都から外れる。 煙台もフーコックも「良い場所だから」選ばれたのではありません。「安いから」選ばれました。そして結果的に、ここまでで一番面白い2都市になりました。
地図には壁がある。 全5区間のうち4区間は ¥8,000〜¥14,000 に収まっているのに、中国からASEANへ抜ける1区間だけが ¥19,688 で、しかも乗り継ぎが必要でした。航空網の形が数字に出ています。
無名であることには値段がつく。 ソウルでは何十軒からも選べましたが、煙台では3軒でした。ルールが観光地から遠ざけるほど、実際に売られているベッドは減っていきます。
次はシンガポール発。すでに6か国が除外リストに入りました。ここから高くなります。